








読んで下さった方、有難うございます。
以下、後書きのような解説のような何かです。
この話は、こちらのブログ記事(----線以降の部分、とても無駄に長いです、すみません)に書いたとおり、
・共同創作をしていて、悲惨な結末を遂げてしまったキャラの救済
・恋愛の定義が分からないままの「恋愛9割」
というのを目標(足かせ?)にして書かれた話です。
私は海外ファンタジー(ハヤカワ文庫や創元推理文庫など)が好きなのですが、それに恋愛要素9割を放り込むことで、少女小説っぽい雰囲気にもなったかなと思っています。ちなみに私は、モンゴメリやオルコットやオースティンも愛読して育ってきたくちです。しかしまあ、8Pでオチが読め、「お前ら何してるんだ……」と全力でツッコミを入れたくなる話に変わりはないですね。なんでこうなったのでしょう……
・シディアスについて
救済対象。微妙に悪役ポジションで、女の子にも冷たく、大量の死亡フラグを引きずって歩いているようなキャラでした(もちろん死んだ)。しかし、彼が復活して幸せになるためには、とにかく彼好みの女の子を投入して幸せにしてもらうしかないと考えた結果、信者を疑われるレベルでシスコンに転身。
執筆当初は、彼をとことん優遇しようとしたため、「好みの女の子にひたすら好かれる(だが本人はよくいる天然系主人公のごとく自覚がない)」という夢展開を狙ったのですが、「自分が落としたいと思った相手を落としてこそ、人生の充足感が味わえるんじゃないのか」と再考した結果、話の中盤からは覚醒しています。いちおう、恋愛の攻守ががらりと入れ替わる、というのをやってみたかった、という理由もあるのですが。そっちの意図はそれほどうまくいかなかった気も。
しかし、書き終えて振り返ってみると、自覚なし天然系だった時期のほうが、余裕があってかっこよく書けていた気がしないでもない。
なお、以前は悪役ぽかったために、完璧な美形設定が許されていたところがあるのですが、改めて彼を恵まれた主人公ポジションに据えてみると、美形設定がなんとも鼻につく(笑) だが、設定的には、むしろ容姿で何も得をしていなかったりします。
彼の生まれ育ちが不幸なのは、厨二なのもありますが、「童話や児童文学の主人公はたいてい不幸な生い立ち」という私の思い込みによるものです。
厳格だが公正な執事がいて、幼少期の彼にいろんな機会を与えてくれたという裏設定。今では、その執事は王太子領の執事になって働いています(王子王女は領地を持たないが、王太子のみは特別に領地を与えられている)。
・ユィシアについて
シディアスの理想の少女。どこが理想なのかというと、愛情深くて超絶一途で癒し系(外見)なところです。ちなみに、容姿は彼の好みとはちょっとずれている(彼は黒髪好きという裏設定)。だが、多分、どんな外見であろうと、癒し系であればシディアスのツボに嵌まったであろう……それほど彼は愛情と癒しに飢えている(死んだばっかりでしたしね)。
ただ、書いているうちに、癒し系というより、猪突猛進なドジっ子になっていきました。シディアスのシスコンぶりも酷いが、彼女は脳内の99.9%ぐらいが「お兄様」で占められている。ここまで恋愛脳な女の子は書いたことがないうえ、たまにベッドの柱に頭をぶつけてくれたりするので、書いていて非常に楽しかったです。まあ、これも、恋愛9割のために他の要素を削りに削った結果なんですが。
名前はもともと「ユイシア」でしたが、「ゆい」という名前の友達がいるので、書くたびにその顔が浮かんでしまい、イメージが狂うので(友達はエキゾチックな浅黒美人です)、苦肉の策で小さな「ィ」表記になりました。発音が自分でも謎です。
・ロスナー
初期稿では、「主人公か?!」というほど、出番が多かった彼。恋愛9割に近づけるため、ことごとく見せ場を削ったので、ほとんど友情出演並みの出番となりました。書いていて楽しいキャラなのに残念です。
作中でシディアスは否定していますが、まぎれもなく彼の親友です。本人も自覚している。
どうでもいいが、ヴェスティスや先王の乱倫ぶりが反面教師になって、顧問官就任後はあまり女遊びをしなくなったという裏設定があります。基本的に優しい性格なので、じきにいい相手を見つけて、まっとうに結婚したんではないかと。考えてないけど。
・ヴェスティス
初期稿では、シディアスの父親ではなかった。
彼がシディアスの父になったのは、大聖堂で遭遇するシーンを五回ぐらい書き直していたときです。なんかこの二人似てるぞ……あっ(悟り) みたいな経緯で、親子になりました。それまでは、第一章で、シディアスの容姿を「この国では珍しくない」と書いていたように、全くの他人である方向に強調しようとしていました。
悪役ポジションですが完全に悪役でもない、ちょっともてすぎるだけの六十代。仕事はできるが責任感はないらしい。という謎のキャラ。私はお爺様キャラが好きですが、でも彼はちょっと理解しがたいかな……と思っています。自分で書いたくせに。
ニダリア一もてる男、という設定は、シディアスとの因縁を考え始める前からの初期設定です。
・その他のキャラ
やはり、恋愛9割のために幾多の死屍累々が……
仕立て屋は名前が出てこなくなり、宝石商人は登場場面すら削られています。特に、私が石フェチなところがあるので、宝石屋の場面は五倍ぐらいの長さがあったのですが、おそろしい勢いで削りました。宝石商人はガンダリア人で、シディアスが作中で言っている「ガンダリア人との交渉」に関係しているはずだったんです。だが、その辺の伏線回収以上に、恋愛9割が優先されたという……
なお、作中では説明できませんでしたが、ニダリア王国の辺縁部に「ガンダリア」という土地があり、そこにはガンダリア人たちが幾つかの部族に分かれて暮らしているのですが、百年ほど前にニダリアに征服されてニダリア領となった。今では、王都にも一部が流れてきて暮らすようになったが、ニダリアに対して強い敵意を抱いている、という設定です。
イングリドは、ユィシア、ロスナーに並ぶお気に入りキャラです。山岳地帯にある貧村の出身で、そこでは出稼ぎのために幼少期から武術の特訓をしている。多くの者が用心棒として村の外に出て行くなかで、彼女も同じように旅に出て……という厨二的裏設定。他にも設定が山ほどあるので、いつか番外編など書けたらいいなと(妄想)
サルド侍従長は、作中で唯一、モデルになる人物の顔を思い浮かべながら書いたキャラです。かつてF1でフェラーリチームの監督を務めていたジャン・トッドです。実際の彼の性格はよく知らないのですが、どんな修羅場でも、まるで七人の小人さんの眷属のような雰囲気で、人なつこい表情を崩さないところがよほど怖い、と思っていたので。
・国、時代設定など
12世紀〜13世紀の西欧(やや北より、デンマークぐらいの位置)をなんとなく想定しています。
ただ、厳密には12世紀ではありえないオーバーテクノロジー描写もままあったりする「架空の王国」。
・題名について
私はゴシック小説も割と好きなので、「ゴシック小説は古い城・塔・廃墟などが舞台となることが多い」という「お約束」にもとづいて、こんな題になりました。
もっと、ゴシック的な廃墟のような城を書きたかったですね。でも恋愛9割が優先(略
とにかく自分のために、自分の癒しのために書いたお話ですが、読んで下さった方が少しでも楽しんでいただければいいなと思っています。感想などありましたら、是非頂けると嬉しいです。あと、切実に創作友募集中です(笑)
